はじめに
著者は純ジャパで長期留学経験も無く、日本語でさえ口ベタなタイプです。
それでも英検1級を目指して勉強を重ね、何度も受験してようやく筆記試験を通過しました。
しかし、そこから先の二次試験の面接も1回目は落ちてしまいました……。
そこで、どうしたら合格基準に達するような英文を話すことができるのか試行錯誤を重ね、2回目で念願の英検1級に合格することが出来ました!
もしも「面接なんて受かりそうにない」と思っている人でも、英検1級の1次試験を突破できたのですから、必要な英語力は十分にあります。
現在のスピーキングのレベルがいまいちでも、面接対策としてテクニカルな工夫も合わせてしっかりと対策を講じれば合格できます。
本当に可能なのか??
今回は面接で求められているレベルと、そのレベルに達するための要素を9つに分解して対策すべきポイントを明確にしていきます。
まずはしっかりと敵を知るところから始めましょう。
英検1級面接で求められていることを知る
英検1級面接の概要
面接試験の構成は、氏名の確認のあと、
・自己紹介をメインとした簡単な日常会話
・5つのトピックの中からひとつ選んでスピーチ(1分で選んで考え、2分でスピーチ)
・面接委員からスピーチの内容や関連したトピックについての質問されて回答
という流れです。
詳しくは公式サイトでご確認いただけます。また公式サイトにある英検バーチャル二次試験というツールで流れを具体的に確認できるので、一度通しで疑似体験してみてください。
英検1級って、どんなレベル?
実際に英検1級では、どのくらいのレベルが求められているのでしょうか?
ネイティブ並みにペラペラ話せないといけないのでしょうか?
公式サイトを見てみると、1級の程度とは「社会性の高い幅広い話題についてやりとりすることができる。」という、なんともざっくりした内容。
https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/criteria/
さらに目安としては、相手に伝える発信力と対応力があること。
https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/about/
面接の構成から、この「相手に伝える発信力と対応力」とは、与えられたトピックに対してロジカルにスピーチできるか、また試験官に質問されたときに答えられる瞬発力はあるか、を聞いているものと考えられます。
ちなみに、筆者が受験した時は(現在もおそらく変わらないと思いますが)二次試験の『分野別得点とその評価のポイント』が結果とともに送られており、それによると
・SHORT SPEECH 10点
・INTERACTION(Q&A) 10点
・GRAMMAR AND VOCABULARY 10点
・PRONUNCIATION 10点
と、スピーチも質疑応答も文法・語彙も発音も一律配点が10点満点でした。
しかし、だからといって「じゃあ、スピーチ捨ててボキャブラリーと発音の練習しよ!」とはなりませんよね?スピーチしているとき、全く内容が思い浮かばないのに語彙や発音を意識するなんて無理な話です。
大切なのは、いかにスピーチをうまくこなして自信と余裕を持って質疑応答につなげられるかどうかです。つまり、スピーチが肝です。
さらに言ってしまうと、その前の自己紹介をいかにスムーズにこなせるかが重要です。
想像してみてください。緊張している中、出だしからつまづいて頭が真っ白、なんてこともありえます。出だしをきちんと準備しておくことで、平常心を取り戻してスピーチに望むことが出来るのです。
きちんと時間内に必要な内容を発信して、発信したことについて質疑応答が出来ればいいのです。
つまり、「ネイティブ並みにペラペラ」は求められていないのです。
面接で不合格になった要因
ネイティブ並みにペラペラ話す必要が無いとはいえ、どうして1回目は上手くいかなかったのでしょうか?
筆者自身の反省としては、大きくは「準備不足」とそれによる「自信の無さが表面に出てしまった」という2点があります。具体的には以下の点です。
・出てきたトピックがすべて初見
・見切り発車でスピーチを始めた
・スピーチがだらだら&時間オーバー
・声が小さくボソボソ話してた
DMM英会話を利用して話す練習はしていたものの、もともと日本語でも話すことに苦手意識があったせいか、スピーキングの向上の遅いこと…。
テクニックとしての面接対策は必須でした。
一度落ちてしまった経験から、
「何をどこまで準備すれば、私のような緊張しやすくて口の重い人でも面接を乗り越えられるんだろう?」といろいろと考え、その対策のために英検1級の面接で求められる「英語を話せる」を9つの要素に分解してみました。
面接を乗り切るための9つの要素
以下が面接時に出来ていたい9つの要素です。
- 言いたい単語や表現を知っている
- 英文として理解できる文法を知っている
- 英語だとわかる発音ができる
- 話したい内容が決まっている
- 話したい内容が要素として整理されている
- 基本的な「ロジカル」と言われる順番に要素を組み立てて話せている。
- 相手の質問に対する答えを考えられる(相手の質問を理解できるリスニング力も必要!)
- 相手の質問に反射的に答えられる
- ゆっくりでも落ち着いて話せる
こちらを見ていただくと分かると思いますが、表現や文法、ロジカルさといった知識やスピーチで話したい内容の暗記など、そのまま面接で役立つ事前準備ができる余地がかなりあります。
英検1級面接対策ですべきはこの2点
つまり、面接対策としてひたすらするべきなのは、
- 単語や表現、英文法、話したい内容を暗記して(インプット)、
- 覚えたことを組み合わせる練習をする(アウトプット)
の2点です。
さらにポイントは、一つ目の暗記(インプット)練習をいかに短くして、次の練習(アウトプット)に時間を割くかどうかです。
そこでおすすめしたいのが、覚える内容をブロック(かたまり)と考え、積み木のように組み重ねていく方法です。暗記はするものの量としては多過ぎず、必要に応じて使いまわせるブロックを作る所から始めます。
まとめ
以上、この記事では面接で求められているレベルと、そのレベルに達するための要素を9つに分解しました。
数多ある対策本や動画、サイトなど見ると解答例のレベルが高く、とても難しい面接なのではと不安になってくるかもしれません。
しかし、漠然とした不安を抱えてしまったなと思ったら、それを具体的に小さく小さく切り分けて言語化してみると案外解決策も浮かぶものです。
次の記事では、各要素のための具体的な対策について説明していきます。